ポマードの歴史について振り返り - ポマードの起源から現代のポマード -
令和になった現代では整髪料・スタイリング剤の種類も非常に豊富になってきました。その中でも昔から存在する「ポマード」の歴史について深掘りし、さかのぼればと思います。
現代とはまた違った使われ方をしている時代もあり、その時々での原材料や流行も垣間見れます。
ポマードは古くから愛されており、歴史は紀元前の古代文明頃までさかのぼります。
古代エジプト時代のポマード
ポマードの歴史をさかのぼると、紀元前3000年頃から紀元前30年頃の古代エジプト時代から使われていました。この時代には今にも伝わる建築物や文化も隆盛を極めました。
古代エジプト時代のポマードは、香り付けやスタイリング剤としてはもちろん、ボディーケア、医療、宗教儀式などさまざまな目的で使用されていました。
スタイリング剤として髪の毛を整えながら、肌の保湿効果もあり体を美しく保つ効果もあったそうです。
一部のポマードは、医療目的で使用されていました。特定の植物やハーブから作られたポマードは、皮膚の炎症や傷の治療に用いられていました。これらのポマードには、傷口を清潔にし、治癒を促進するための成分が含まれていたそうです。
さらに、宗教的な儀式や埋葬の際にも使用されていました。特定の香りや成分が神聖なものとして使用され、宗教的な儀式において重要な役割を果たしていました。
古代エジプト時代のポマードの原材料はオリーブオイル、アーモンドオイルからの植物油、牛脂や羊脂などの動物性の脂肪、香料になるハーブ、花、スパイスなどの天然成分から作られていました。
これらの成分が混合され、美容と医療の両面で広く利用されていました。
古代ローマ時代のポマード
古代ローマ時代(紀元前753年から西暦473年)でも複数の種類のポマードが存在し、香り付けやスタイリング剤、医療目的、宗教儀式や社会的儀式にも使用されていました。
古代ローマのポマードも主に植物油、動物脂肪、香料、そして香りをつけるための植物エキスや花などの天然素材で作られていました。これにはオリーブオイルやローズマリーオイル、ローズオイル、ラベンダーオイル、シダーウッドオイルなどが含まれていました。
また、バニラやシナモン、ジャスミン、ミント、そしてミロバランなどの香りもよく使用されていました。
古代ローマ時代になると広く一般市民から上流階級まで広く使われており、古代ローマ文化の一部として重要な役割を果たしていました。
ローマ帝国の発展とともに重要な役割を果たし、その文化的な影響を築き上げていました。
中世ヨーロッパ時代以降のポマード
そして時代は進み、現代に近づいてきました。5世紀頃から15世紀頃を指す中世ヨーロッパ時代。
原料としては蜜蝋や動物脂肪をベースにした高級なポマードも誕生し、髪を整えるだけでなく、頭皮を保護する役割もできるポマードも誕生しました。
18世紀頃、西暦1701年から西暦1800年に入ると、ポマードの成分が改良されていきます。花や植物から抽出した香りのよいエッセンシャルオイルが導入され、ポマードにより良い香りがつけられるようになりました。
この時期にも、髪のスタイリングだけでなく、医薬品としても使用されていたそうです。
19世紀(西暦1801年から西暦1900年)になると、ポマードは一般的な美容製品として広まります。
特にヨーロッパでは、フランスの製薬会社が高品質なポマードを生産し、世界中に輸出されました。
20世紀に入ると、ポマードは髪のスタイリングに広く使用されました。特に1920年代から1950年代にかけて、ポマードは流行のヘアスタイルの不可欠な要素となりました。
ロッカビリー、ポンパドール、スキンフェードなど、多くのスタイルがポマードを使用して作られました。
現代のポマードは進化を続け、さまざまな種類やテクスチャーのものがあります。
オイルベースの油性ポマード。ウォーターベースの水性ポマード。マット仕上げのポマード、クリームタイプのポマードなどがあり、個々のスタイリングニーズに合わせて選べるようになりました。
ポマードは依然として男性と女性の髪のスタイリングに広く使用されており、髪を整えるための重要なスタイリング剤の一つとなっています。
ポマードはその長い歴史の中で進化し、様々な文化で異なる形態で使用されてきましたが、髪型のスタイリングや髪のケアに対する需要を満たすために今日でも広く利用されています。
いかがでしたでしょうか。現在は当たり前に使っているポマードですが、歴史をさかのぼると、少し違った用途でも重要な製品だったことがわかります。
今後はさらに商品改良がされていき、また違ったポマードが出てくるのでしょうか。